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ハーレーダビッドソン ビンテージ・モデル

パンヘッド PANHEAD



「銅」の下で熟成させた第2世代OHVエンジン
1948?1965年までの17年間という長きに渡り生産されたパンヘッド。ナックルで採用されたOHV機構は、油圧式バルブリフターやオイルラインの改善により、熟成、ポテンシャルもアップした。スプリンガーフォークとリジッドフレームといったそれまでのシャーシも、油圧式のテレスコピックのフロントフォークとリアショックアブソーバーを備えたフレームに改善される。現行モデルのアウトラインはパンヘッドの時代に形成されたのだ。

パンヘッドは大きく分けて3つのタイプに分けられる。先ずはファーストイヤーの48年式、通称ヨンパチ、スプリンガー×リジッドフレームというナックル同様のシャーシーが採用される唯一のモデル。翌49年に登場した車両にはフロントにハーレー初の油圧フォークが採用され、「ハイドラグライド」と呼ばれた。そして58年、リジッドフレームがリアショックアブソーバーとスイングアームを備えたフレームに変更され、これにより前後ともに油圧ショックに。パンヘッドの中でも後期モデルとなるその車両は「デュオグライド」と呼ばれた。ちなみにパンヘッドの最終モデルである65年式にはセルモーターが付き「エレクトラグライド」と呼ばれた。熟成されたOHVエンジンと近代的な装備により現代の道路事情でも十分に足となるビンテージ、それがパンヘッドの魅力である。

歴代のパンヘッド

左から順に初年度モデルのヨンパチ、ハイドラ、デュオグライド、エレクトラグライド。


ゆっくりとだが確実に進化したエンジン



オイルライン
ナックルの時代、シリンダーの外側にパイプのオイルラインが装備された。パンヘッドは当時最先端の工業技術を持つドイツのBMWが採用したシリンダー内を通るオイルラインを採用。が、エンジンの高出力化と同時にオイル循環の安定を狙い、64年にはまたアウトサイドパイプに戻される。初期のヘッドにはプレッシャーオイルが通るオイルホールがあるが後期には存在しない。


インマン

キャブレターとシリンダーヘッドを繋ぐインテークマニホールドの固定方法も改良された。前期のボルト止めに対し、後期はより機密性を高めるべくゴムのリングにクランプ止めとなっている。


カムカバー

上が後期のカムカバーで、下が8本リブの初期カムカバー。ちなみに互換性は無い。同じパーツひとつとっても少しづつ改良が加えられたのが判る。そんなディテイルの遍歴を見るのもピンティッジの楽しみなのだ。


タベット

カム山の指令をヘッドに配されたロッカーアームに伝えるプシュロッド。その根本に仕込まれるのがタペットだが、ナックルのタペットがソリッドなのに対し、パンは油圧式になりメンテナンスの軽減を狙っている。ちなみに現行モデルのツインカムのタペットも油圧式。今から半世紀も前に採用されたメカニズムだが、その完成度の高さは驚きである。ちなみにタペットブロックの素材は初期がアルミの鋳物製、後期は鉄製に変更され強度が上がっている。



ケース

エンジンの腰下、すなわちクランクケース内部も前期と後期とでは様々な変更が見られる。中でもカムシャフトの軸受けはその違いが顕著だ。初期はカムをブッシングにより支持していたが、フリクションロスの軽減を狙い、後期のそれはベアリング支持になっている。このような細かな変更が、ポテンシャルと耐久性の向上に繋がっているのだ。ゆえに、同じパンヘッドでも、初期よりも後期のほうが完成度ははるかに高い。







 

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