伝統のＶツインエンジン

ハーレーダビットソン最大の特徴はＯＨＶというバルブ駆動システムをもつＶ型２気筒エンジン。1936年に登場したナックルヘッドエンジンから現在まで、このシステムが受け継がれている。ニューエンジンの開発は10数年おき、そのモデルチェンジですら、基本的な構造は変わりない。何から何まで金属製で、大きくずっしり重い。現在のスタンダードとなった日本製モーターサイクルエンジンと較べるなら、まるでシーラカンスのようだ。そんなハーレーダビットソンがいつの時代も世界中のオートバイ･マニア達の心を捕らえて離さない。その魅力は乗った者にしか解らないだろう。



ツインカム88　TWINCAM88

現行型エンジン（1999年〜）1450cｃ

ソフテイル/ダイナグライド/ツーリングファミリーに搭載

伝統を受け継いだハーレー最大排気量のビッグツインカムエンジン''
1999年に登場した1449ccの排気量を持つエンジン。現行のツーリングファミリー、ソフテイルファミリー、ダイナグライドファミリーにはこのエンジンが搭載されている。ちなみに「88」88キュービックインチのことで、排気量の大きさをインチで表している。



エボリューション･スポーツスター　EVOLUTION SPORTSTER


現行型エンジン（1986年〜）1200cc/883cc

スポーツスターファミリーに搭載
''スポーティーな軽快さを生みだす成熟した2種類のユニット

スポーツスター・ファミリーには、1986年に登場した4カム方式のエンジンが搭載されている。当初は883ccと1100ccという排気量だったが、その2年後には1100ccを1200ccにアップ。小変更はされているものの、2種類の排気量設定で現在に至っている。エンジンの話で「ツインカム」といえばDOHC（ダブル･オーバー・ヘッド・カムシャフト）を指すのが一般的。ツインカム88エンジンと聞いて、ハーレーもDOHCになったのかと勘違いする人もいるだろうが、そうではなくて「ツインカム88エンジン」は、昔ながらの空冷OHC45度V型2気筒。ツインカムというのはOHVながらもカムシャフトを2本持ったということ。というのも、1998年までのビッグツインエンジンは、カムシャフト1本の「ワンカム」方式を採用していた。進化したツインカム88は、前後シリンダーにそれぞれ1本ずつ独立したカムシャフトを与えた「ツインカム」方式が採用されたというわけだ。ちなみにスポーツスターのエボリューションエンジンには4カム方式が採用されている。


レボリューション　REVOLUTION


現行型エンジン（2002年〜）1130cc

VRSCファミリーに搭載
''強靭なパワーを発揮する最新水冷エンジン　
異彩を放つそのスタイルも魅力的''
2002年に登場したハーレー初のDOHC水冷エンジン。VR1000というロードレーサーで開発を重ね、完成したエンジンは100馬力オーバーのパワーと10Kg-mを超えるトルクを発揮。水冷になってもハーレーらしい一面を持ち合わせているのがハーレーの凄いところ。

エボリューション　EVOLUTION

旧型エンジン（1984年〜1998年）1340cc

前ソフテイル/ダイナグライド/ツーリングファミリーに搭載
「ハーレー＝壊れる」のイメージを払拭した信頼性ある頑強なエンジンユニット''
4カム方式を採用するスポーツスター用エボリューションエンジンは、熟成を重ね今尚生き残っているが、ビッグツイン用としては
1984年から1998年までの14年間生産された。「ハーレーは壊れやすい」というネガティブなイメージを打ち消した排気量1340ccのエンジン。